お知らせ

1960年代から計画され、50年以上の長きにわたり、台湾や各国の反原発市民との攻防を経て、2015年7月1日、終に事実上の建設中止となりました。

■Taiwan freezes construction of 4th nuclear power plant(KYODO NEWS)
https://english.kyodonews.jp/news/2015/07/361374.html

■台湾、第4原発の建設凍結 劣化防止措置が完了(琉球新報)

私たち「55基目の原発を止める会」は台湾と日本の市民が協力して第四原発の建設を止めることを目的に、2010年から地質調査などの活動をしてきました。

地質調査にご協力いただいた皆様、カンパにご協力いただいた皆さまに心より感謝いたします。

この2015年7月1日の事実上の建設中止を受けて「55基目を止める会」の活動を終了いたしますが、このブログは閉鎖せずに公開しておきますので、情報としてご活用いただければ幸いです。

2015年8月28日 
55基目の原発を止める会(台湾脱原発みどりの橋)メンバー一同


2013/07/04

55基目の原発 について

さまざまな課題を未解決のまま、メリットだけを見て進めてきた原発。
そして危険性の一つが起きてしまい、原発事故、放射能被害を起こしました。
1度目でなないのです。 知り・学び、正しい目を持って向き合いましょう。


■驚くべき核の意識 --- 台湾では、信じられないような事故が起きています。

ウランを運んでいたトラックが民家に突入。居眠り運転。(1999年2月)
海ゴミで取水口がつまり、冷却水の供給が中断。 (1980年8月)
被曝した鉄筋が流出し、マンションに使用。被曝マンションが作られる。その数183棟。(1984年)

(その他の事故一覧はこちら--→ 事故一覧)

↓↓↓

■台湾とはどんな所なのでしょう?
自然豊かで、20を超える先住民が現存し、日本人のルーツ的文化の痕跡を残しているのが台湾です。
一方、ハイテク製品の世界的な生産国で、経済力も高い先進国でもあります。
ところが、20年前までは戒厳令があり、以前は国会議員の選挙も無い民主化とはかけはなれた時代が近年までありました。
教育では台湾の事を教えないなど、偏った部分があります。

台湾についての詳細はこちら ---> (作成中)


■台湾原発
日本製の原発が、作られています。その実像を見てみましょう。

1999年に建設が始まった台湾・第4原発は、設計はGE社、原子炉は東芝と日立製です。タービンは三菱重工のものを使っています。
設計はGEと言っても中核部品は日本製で、この中核部品を使用するためにGE社という親玉を利用しているに過ぎません。事実上の日本製原発と言えるのです。(注:今ではGE社は日立と合併し、GE=日立という現状です)

日本では311まで大きな事故はありませんでしたが、では海外に建設しても安全性は日本と同等なのでしょうか?
周辺部品や建屋・配線などは、台湾電力の元で現地の台湾人・フィリピン人が建設を行いました。


■危険性1 --- 記念事業
台湾・国民党政権の元、建国(建党)100年の記念事業として2011年に第4原発稼動を目指して建設が強引に進められました。
(注:チェルノブイリ原発は、75周年記念のビッグイベント用の特殊操作をして事故が起きました)
このような、強引なスケジュールは事故の元です。


■危険性2 --- 国民性
台湾の人はビジネス的でおおらかな国民性です。 日本人のように細かい所まできっちり作り上げようとはしません。
逆に言えば「いいかげん」なのです。 (台湾の人ごめんなさい)

最高品質の部品を使う所を部品と入れ替えたりします。例えばケーブルを使うなら燃えない・丈夫と言った品質が必要ですが、電気が通じれば他のでいいだろうと、違う部品で代用したりしているのでしょう。その方が安価で利益も上がりるという計算も入ります。

複数の業者が入っているため、組み合わせの部分で合わなかったりします。 日本では相手業者の製品の事まで熟知して整合性を意識しますが、そこは自分中心の考えで、自分の部品は合っている。合わないのは相手のせい、などと責任感の拡がりを持ちません。

これは台湾だけではなく、複数業者が関係する場合に起きる事実です。そこのうまく調整しなければならない原発なのですが、実際はそれが行われていません。

それが1100箇所を超える設計変更点なのです。(発覚した部分のみの数)


■第4原発の稼動前事故
一旦完成し、試運転をしようとした所、事故が起きました。

2010年3月~5月 --- 火災が数回発生。しかも中央制御室です。最大28時間の停電となりました。これがウラン装填した運転中だったら重大事故となる所でした。いったいどんな部品や配線をしていたのでしょう。 
しかもこの事故は発表されず、フライデーのスッパ抜きで発覚したのです。安全性に対する意識が全くありません。


また、2011年7月、注水試験を行ったところ、水漏れが発生しました。場所はサブレション・プールです。しかも警報装置が作動しなかったのです。気が付いたときには建屋が30cmも水浸しになっていたとの事。

通電試験も失敗、水の試験も失敗、ウラン装填した運転をしたらどんな事故が起きるのでしょう。


■低い安全意識
「安全だ、安全だ」と言っているようでは安全ではありません。事故は起きるものです。それぞ前提に想定の上に想定を重ねて、常にチェックと対策をし続けて、初めて安全が実現されるのです。

しかし台湾電力は「安全だ」しか言いません。

過去、数々の事故を起こしています。第4原発自体も既にありえないような事ばかり。また市民やプロの警告にも、適切な回答はありません。

・元GE技術者(菊池洋一さん)は、第4原発に立ち入り調査をして危険性を指摘しています。

・私達は地質の専門家も派遣して、数々の事実を発見し指摘しましたが、自分の目で確認することなく、「問題ない」の一言で終わらせました。 (地質調査結果はこちら ---> 作成中)


■責任はどこに?
市民団体が原子炉メーカー(東芝・日立)に問い合わせた所、「私達に責任はない」とメーカー回答しました。
設計元のGE社も一時、技術者を引き上げました。
1000箇所を超える設計変更、まだまだ問題は内在しています。これに責任を持って誰が対処しているのでしょう?

-------

以上のように問題だらけでです。稼動したら事故は必至と言えます。


これを読んでいる皆さんにお伝えしたい事が3つあります。


★日本が海外輸出をしたら、このような事実であるという事。
日本の原発は安全と思っていますが、海外に安全に作る力は日本に無いのです。

自民党政権は原発の海外輸出を進めてきました。2009年時点では、公明党も民主党も海外原発を選挙公約にしていました。311後も民主党政権も海外輸出を明言しています。「原発は安全だと」

私が思うに、首相が変わっても政権が変わっても方針が変わらないと言う事は、首相や政権よりも強い意志が働いているということなのです。


★アジアの核は繋がっている
日本の原発だけ見てると、大きな流れが見えにくいです。採掘の問題、廃棄物の問題、運転時の問題。これらはひと繋がりです。国の枠より大きな目でみると、これらが繋がっている一つの出来事であると判ってきます。


★日本が変わればアジアが変わる
日本の原発問題は、日本人だけの問題ではありません。アジアの各国は、日本の背中を見ています。
世界の奇跡といわれる日本を、アジアは見て、そしてまねをしています。(詳しくはこちら ---> (作成中)。

という事は、日本が脱原発の方針を本気で立て、自然エネルギーの道を歩めば、アジア各国もそれに習うのです。
日本人の選択がアジアの未来を左右しているのです。

日本が脱原発を実現したら、アジア中から原発が無くなるのです。

台湾 10万人デモに向けて メッセージ

台湾 10万人デモに向けて
地質学者:塩坂さんからのメッセージ


http://www.youtube.com/watch?v=AYYnaP4DYUI

2011/11/13

APGN 日本提案

APGN大会の最終決議の時、日本チームから台湾第4原発について提案をしました。

その時の記録です。

決議案の提案とディスカッションの様子

APGNとは、アジア・太平洋各国の緑の党や準団体が一同に会する大会です。
2010年4月、台湾にて大会が行われ、グリーンな話し合いが行われました。
APGNのダイジェスト映像はこちら→youtube

最終決議とは、APGN大会の総括として、今後世界に提言をする決議案を決定する場です。
10数件の決議案が決まりました。決議決定には割とスムーズに進むのですが、日本提案の時に最も時間を掛けての話し合いが行われました。

日本提案、 アジア・太平洋地域から、核の採掘・運転・廃棄の全てをアジアから無くすこと、特に台湾第4原発は直ぐに廃止をするべき。という内容です。 この提案に会場の他国からこの提案には私達も共同提案国になりたいとの申し出が相次ぎました。

私はこのとき、とても感動しました。 この瞬間の映像をここにお伝えします。

テキスト訳
内容は英語で行われています。誰かテキストスクリプトを作ってくれないでしょうか。私は英語がわかりません。会場では同時通訳がありましたが、この映像では日本語がなくわかりません。
スクリプトを起こしてもらえれば、私が映像に字幕を入れます。

日本提案の内容
日本から提案、そして決議となった文章については、後半をご覧下さい。



○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

日本提案の内容

最初の「13」というのは、13番目のAPGNでの13番目の提案・討議内容の番号です。
提案は日本を始め数カ国の共同提案としました。

決議文 (英文)

13. Nuclear Power in the Asia Pacific region
(proposed by Greens Japan, Ecolo Japan, Green Party Taiwan, Partido Kalikasan, Korea Greens, Mongolian National Green Movement)
Keisuke Miyazawa (Greens Japan)

The APGN recommends that its members promote the sharing of information concerning the nuclear power of each country and strengthen the network with a view to stopping all existing and proposed nuclear power plants, uranium mining and disposal in the Asia Pacific Region, including: Japan, South Korea, North Korea, Taiwan, China, Vietnam, Indonesia, Malaysia, Mongolia, Australia, Philippines, India, Pakistan.

We oppose nuclear plants in the region because for most countries in the region, our geology is too unstable for nuclear plants with significant risk of earthquakes. The problem of spent nuclear fuel disposal has not been resolved in any Asia Pacific countries,. And finally, for the entire world nuclear energy development increases the risk of proliferation of nuclear weapons.
To show of our resolve, the APGN to calls on the government of Taiwan to recognize that there are no safe conditions for nuclear construction in Taiwan and to abort plans for the proposed 4th nuclear power plant of Taiwan.

The expansion of nuclear power plants in the region MUST STOP NOW


決議文(日本語訳)

13. アジア太平洋地域における核エネルギーに関する決議

(みどりの未来(日本)、エコロジャパン、台湾緑党、カリカサン党(フィリピン)、韓国グリーンズ、モンゴル国民グリーン運動の共同提案)

アジア太平洋グリーンズネットワーク(以下APGN)は各メンバーに対し、日本、韓国、北朝鮮、台湾、中国、ベトナム、インドネシア、マレーシア、モンゴル、オーストラリア、フィリピン、インド、パキスタンを含むアジア太平洋地域における既存のおよび計画中の原子力発電施設、ウラン採掘および核廃棄の停止のため、各国の核エネルギーに関する情報共有を促進するとともに、ネットワークを強化することを推奨する。
この地域におけるほとんどの国において、その地質は重大な地震の危険にさらされ、地質学的に考えて、原発の立地にはあまりにも不安定であることから、私たちは当該地域における核施設に反対する。アジア太平洋諸国におけるいかなる国においても、核燃料廃棄物に関する問題は解決されていない。さらに、世界全体においても、核エネルギー開発は核兵器拡散のリスクを増大させる。
私たちの決意を示すため、APGNは台湾政府に対し、台湾における核施設建設に安全な状況はないことを認識し、進行中の台湾第四原発計画の廃棄を求める

当該地域の原子力発電施設の拡大は今すぐ停止させなければならない。

鎌仲監督、第4原発へ

ミツバチの羽音と地球の回転の映画監督である鎌仲ひとみさんが、第4原発のある台湾に行きました。

現地では、第4原発の視察、現地記者会見、内部被曝などの後援、APGN大会への参加、また6ヶ所村ラプソティー(英語版)の上映も行いました。



写真は記者会見の様子。このあと内部被曝の講演も行いました。
この様子はTV報道もされました。

写真は左から、
藩さん  (台湾Greens)
陳炯霖さん  (緑色アクション連盟 会員)
いなむら和美  (兵庫県・県議(当時)、現在の尼崎市長) 美人ですね
松谷きよし (静岡市 議員) STOP.浜岡原発
宮澤圭輔  (静岡市 議員) STOP.浜岡原発。 イケメン議員です
崔愫欣(チェ・スーシン) 映画「こんにちは貢寮」 監督
鎌仲ひとみ  映画監督。ヒバクシャ、六ヶ所村ラプソティー、ミツバチの羽音と地球の回転、など

○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

第4原発の視察後、APGN会場で鎌仲監督にインタビューしました。
プレパブみたいな原発だったと印象を語っています。
(筆者いいわけ: 映像中で5番目の原発という表現がありますが、正しくは7番目の原発になります。このときの私達は、まだ正確な情報を把握していない部分がありました)

映像がカクカクしていてすみません。 現地からUstrem中継した映像です。通信環境の関係でこのような映像になりました。


○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○


現地での鎌仲監督の横顔写真です。

新作「みつばちの羽音と地球の回転」の映画が完成間近で山口での上映会を控え、日本各地での講演に忙しい中、台湾に来ていただきました。 お疲れなの中、監督ありがとうございました。


台湾到着直後の夜ミーティング。一番奥に監督がいます。


原発の周囲を視察し、最後に参加者で集合写真。 中央に移っているのが鎌仲監督。
後ろに映っているのが第4原発。

緑色のフェンスには切れ目があり、そのまま歩いて入って行けそうです。
一番大きいのがタービン建屋。手前には何かの倉庫なのかプレハブのような小屋が並んでいます。これが原発施設です。
手前では新しい道路を作っています。 これ国道です。


その後台北に戻って、記者会見を開きました。


名前が「瞳」となっていますが台湾にはひらがなが無いので、現地表現でこのようになっています。

記者会見会場の様子。共同通信の記者もおり、この会見の内容は、新聞社数社によって現地新聞の記事に掲載されました。


その後、鎌仲監督より内部被曝のこと、メディアや市民の事など、後援が行われました。


講演会場の様子。 英語で行われました。鎌仲監督は英語が達者です。
会場には多数の国の参加者が、監督の話しを聞きました。

監督に質問する参加者


夜には、ヤンググリーンの会場にて六ヶ所村ラブソディー(英語版)の上映を行いました。


ヤンググリーンのメンバー。(参加者はもっといます (^_^;

一方私は大変でした。
会場の設備担当者はとてもいい加減で、いかにも南国の人たちというおおらかさでした。
国際会議が開かれる会場だというのに、上映のためのセッティングが完成せず、1時間半も調整に時間を費やしました。 結論は「映らないですね」の一言。 私達は自分で部品の緊急買い出し、持込機材の総動員してセッティングを完成させました。上映開始時間を過ぎても始められず、一時騒然とし、大変焦りましたが、結果的に無事上映を行うことができました。 


鎌仲監督は、現地であれこれ大変なスケジュールでしたが精力的に活動されました。
大変ありがとうございました。

この55基目の原発----台湾第4原発のこと、これからもよろしくお願いします。

2011/11/12

55基目の原発について

文章と映像で、内容を書きました。

こちらをご覧下さい。

文章→こちら


映像→こちら

2011/11/07

私達の紹介

こんにちは、みなさん。

私達は、台湾第4原発の想像をはるかに超える危険性を知り、行動を起こしました。

現地活動との連携、地質調査、人間のくさり、専門家との連携、etc。

これまで個人レベルの活動でしたが、広く皆さんと連携が必要と思うようになりました。

そこでホームページ(ブログ)と、団体名と口座を作りました。

「台湾脱原発みどりの橋」、「55基目の原発を止める会」は、両方とも同じ団体です。事務手続きの関係で2つの名前を持つ事になりました。



2011年11月時点でメンバーは4名です。
・星野 輪(めぐる) ---- 環境、自然、地質に詳しい。技術面からのサポートをしています。
・松本 なみほ. ----- 環境政策コンサルタント、みどりの未来共同代表

・佐藤 大介 -------- ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパン。 
20年以上、アジアの原発運動に関わっている。
・陳 炯霖(ダン・ギンリン) --- 台湾緑色行動連盟メンバー。
日本の各原発も巡っている。


が中心メンバーです。というかこれで全員に近い。

人間のくさり、第4原発を囲む

第4原発の停止を願う市民は、第4原発を囲んで人間のくさりを作成しました。

周囲は10数kmに及ぶ原発を全て囲む事は出来ませんでしたが、国道に面した部分で人間のくさりを行い、原発当局にその姿を示す事ができました。



映像


いろいろエピソードもあります。
また追記しますね。(もうしばらくお待ち下さい。 現在作成中)